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【作り手の想い】
純米大吟醸「稀世」の醸造蔵
平孝酒造5代目 平井孝浩さん

《企業理念・会社概要》

平孝酒造は、1861年(文久元年)に創業し、現在の平井孝浩社長で5代目となる歴史ある酒蔵です。平孝酒造の位置する石巻市は、北東北を縦断する北上川の河口に開けた港町で、金華山沖は、暖流と寒流が交わり四季折々豊富な種類のおいしい海の幸が水揚げされる、世界三大漁場の一つに数えられます。
そのような石巻の地域性から、「魚でやるなら日高見だっちゃ!日本一鮨に合う酒をめざして毎年の酒造りに挑む!」という企業理念を掲げ、魚に合う酒づくりをしてきました。

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《平孝酒造の歴史と「日高見」》

そのような平孝酒造にも大きな苦難がありました。戦後の昭和20年代後半から30年代前半にかけた高度経済成長の黎明期、日本の復興に伴い発達した道路交通網やテレビを中心とした情報通信手段の影響によってそれまで酒しかなかった世の中にビールやウイスキーが登場し、世に浸透していきました。そして、昭和40年代後半のオイルショックが日本酒業界に追い打ちをかけられた後、平井社長が5代目に就任しました。その後も、大規模店舗にかかわる規制緩和が進み、人々のライフスタイルが変化していきました。

その影響により、酒類を取り巻く情勢も、酎ハイや缶ビール、ワインなどを自宅で気軽にリーズナブルに楽しめるようになった一方で、日本酒もその価格競争の波にのまれ、多くの地酒メーカーがつぶれていき、宮城県内でも45社ほどあった酒蔵が現在25軒まで減少。平孝酒造も同様にその影響を大きく受け、一時は倒産寸前にありました。

日高見のラインナップ2.JPG

その昭和から平成に時代が変わるタイミングで5代目に就任した平井社長は、「大手メーカーと同じ土俵には乗らず、オリジナリティーを追求する」と経営方針の舵を大きく切りました。同時期に清酒の製品品質・表示基準などにかかわる法律の酒団法も改正されたことを受け、それまでの地元での流通を主とした普通酒「新関」だけではなく、平孝酒造としての個性を詰め込んだ特定名称酒「日高見」を外の市場に向けて打ち出しました。特定名称酒としての「日高見」は、一般的に高価であった吟醸酒を、品質はそのままにより多くの人に楽しんでいただけるような価格帯として展開し、市場を開拓していきました。その裏側には、吟醸酒を醸す上で欠かすことができない冷蔵貯蔵設備を増強するといった投資も行われました。吟醸酒で得た支持を基に、第二弾として純米酒、第三弾として本醸造を展開。
「創業以来続いてきた地の利を生かした海の幸に合う酒づくりが、当社の個性・オリジナリティーであり、ブランドイメージとなると確信した」と5代目就任後の改革当時を振り返ります。

現在の主力銘柄日高見の額装.JPG
日高見のラインナップ2.JPG

《稀世をお引き受けいただいた経緯》

純米大吟醸「稀世」の醸造を引き受けた経緯には、「安野希世乃さんは、アニメの声優を通して日本国内はもとより世界に向けて活躍の場所を拡げていらっしゃいます。当社としても涌谷町さんからのご縁を大事にし、安野さんを応援するとともに、相乗効果で蔵を、日本酒業界を盛り上げていきたいという思いから醸造を承りました」と日本酒業界への想いも込められています。

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《稀世をはじめ、平孝酒造さまの酒造りへのこだわりについて》

平孝酒造としての酒造りへの想いは、並々ならぬこだわりが込められています。
 「古来から良い酒を造るためには、『一、麹 二、酛 三、造り』が重要であると言い伝えられておりますが、当社では、米を洗って蒸すまでの原料処理で酒造りの8割が決まると考えており、特に大切にしております。原料処理がうまくいかなれば、そのあとのさらに重要な工程がすべて駄目になってしまうためです。使用する水も、安全で安定している軟水にこだわって使用しております。

また、搾った後も酒造りは続くと考えており、上槽から火入れ、貯蔵、出荷までの工程を酒造りと同じレベルで大切にしています。近年ではこの最終工程が最も重要とされており、酒を搾った後、絶妙なタイミングで火入れを行い、糖化を止められるかかが、酒造りの決め手となっています。極端な話となりますが、「古来からの3要素」に加え、「原料処理」と「火入れから出荷までの工程」といった3段階すべてに集中し、1つ1つの酒造りに愛情を注いで取り組んでいます」。

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磨かれ、洗われた酒米1.jpg
日本酒と向き合う平井孝浩社長1.JPG

《安野さんの平孝酒造潜入取材映像》

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《稀世を飲まれる方々へのメッセージ》

稀世を飲まれる皆さまに向け、「当社では、安野さんのために、涌谷町で真心を込めて栽培した宮城県の酒造好適米『蔵の華』を40%まで磨き上げ、酒造りの最高峰である純米大吟醸として醸しております。その味わいは、芳醇で馥郁とした味と香りを楽しむことができます。ぜひ、涌谷町の豊饒の大地と石巻市の雄大な海に思いを馳せながら、心行くまで稀世を味わってください」と話します。

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